こんにちは。不動産投資トラブル情報局です。
2023年2月27日、スマホで買える太陽光発電として知名度を上げていたチェンジザワールドが破産申立てを行いました。
負債額は38億円以上、債権者は1万2000人以上の大規模破産事件です。
ベンチャー企業が倒産することは珍しいことではありませんが、倒産前の経営状況から被害者からは“悪質だ!詐欺ではないか”という声が上がっています。
今回はチェンジザワールドの被害者にお話を伺い判明した状況をまとめました。
チェンジザワールドとは?
チェンジザワールドをご存知でない方もいるでしょうから、チェンジザワールドの概要をざっくりご紹介します。
チェンジザワールドは山形県酒田市に本社がある再生可能エネルギーの小分け販売や管理・運営を行う会社です。
項目 | 内容 |
---|---|
企業名 | 株式会社チェンジ・ザ・ワールド |
本店 | 山形県酒田市新橋2丁目26-20 (支店:東京・千葉にあり) |
代表取締役 | 池田友喜 |
役員数 | 4名(代表取締役含む)※破産3ヶ月前の役員数は7名 |
設立 | 2014年2月 |
チェンジザワールドが太陽光発電所を“ワット”という単位で小分け売りし、運営と管理も同社が行うという仕組みでした。
ワットを購入した方(オーナー)のメリットは売電収入を得られたり、再生可能エネルギーの普及に参加出来ることです。
1ワット約200円から購入可能で、ワットストア(旧チェンジ )というサイトやアプリで販売されていました。
通常太陽光発電投資を行う場合は2000万円以上費用がかかるため、参入出来る人が限られますが1ワット単位であれば誰でも参入しやすく太陽光発電投資に興味がある方やエコロジーに興味がある方が購入していました。
また、大手航空会社のマイルが貯まることから、陸マイラーと呼ばれる方達も参加していたようです。
チェンジザワールドの破産理由
公表されている破産理由は“2022年6月1日に改正された預託法の影響を受け、持続困難であると判断した”とのことです。
…が、これが本当の理由ではないのでは?と思っている被害者もいるようです。
被害者の情報提供
今回は被害者Aさんに情報提供いただきました。
本日はよろしくお願いします。
突然の出来事に困惑しています…。
お金を取り戻したいです…。
- 被害額は約70万円
- 2022年6月以降も購入している
- ワットの購入歴は3年程
- 購入と売却の両方を経験済み
- ワットストアの利回りは詐欺的な法外な数字だったのでしょうか?
-
売電収入の利回りは実質2%程度なので、月利20%というような法外な破綻前提のビジネスモデルではありませんでした。
しかし、ワットストアに表示されている利回りはチェンジザワールドが独自の計算方法で表示されているので表向きは8%のような形で販売されていました。
実際は利回りから太陽光設備の減価償却が引かれる形で、20年間の発電期間が終了したらチェンジザワールドに無償で引渡す内容でしたので減価償却分はオーナーの資産ではありません。
よって実質の利回りは大体2%程度になる仕組みです。
- ワット購入前に倒産した場合の説明はありましたか?
-
ホームページには運営会社が破綻した場合は資産はオーナーの所有で、太陽光発電所の管理は他社に引き継いで対応するといった内容が掲載されていました。
しかし、今回の破産が起こり判明したことは太陽光発電所は他社へ引き継ぎはなく、破産債権として扱われると破産管財人から連絡がきた次第です。
話が全く異なるので困惑しています。
- 破産理由に関してはどのように感じますか?
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預託法改正は破産理由の一つではあるのでしょうが、チェンジザワールドは預託法改正以降(2022年6月1日以降)も預託法違反の状態でワットを大々的に販売していたのです。
本来企業として法令遵守は当然の話ですよね。
実際の意図は分かりませんが、個人的な感想としては最後に破産を計画して違法を犯してでも資金を集めるだけ集めたように感じてしまいます。
本来であれば2022月5月末までで販売を終了し、継続可能な方法を探るべきでチェンジザワールド役員一同の経営判断ミスと法令遵守に欠けた行動が今回の破産を招いたのだと個人的には思います。
- 預託法違法で販売されたワットはどうなりましたか?
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2023年1月中旬頃に預託法違反を理由に2022年6月1日以降の購入者で希望する者には契約無効処理をし、チェンジコイン(1チェンジコイン=1円)で返金するとメールがきました。
私は契約無効の返金処理を申し込みましたが、返金申込みフォームが届いたのは2023年2月上旬で、チェンジコインに反映されたのが2月中旬頃、チェンジコインを現金に交換する申請をすぐに行いましたが、出金期限が知らない間に変更されていました。
私の知る限り2022年夏頃にチェンジコインを現金振込申請した際は3日で入金されていましたし、実際利用規約にも3営業日以内に振込むと記載がありました。
しかし、預託法改正でワット販売が出来ないため、月末締翌月払いになりますとメールに書かれていました。
その後2023年2月27日に破産申請を行っているので、実際、返金処理が出来た人はいないと思います。
- つまり、違法販売した期間に購入した被害者はお金を取られただけと言うことでしょうか?
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基本的にその認識で合っています。
どの太陽光発電を購入したかにより変わりますが、2022年6月以降に販売していたワットはこれから建設する風力発電や太陽光発電の予約販売が多かった記憶があります。
それらの設備の場合半年以上ワットの売却が不可になり資金が引き出せない状態です。
予約販売を購入した人で返金出来た人はいないのではないでしょうか。
2022年6月以降に大々的に違法販売を続けたことで被害者を増やしたと思っています。
- 2022月6月以降のワット販売対象者はそれ以前に購入していたオーナーだけではないのでしょうか?
-
違います。
違法販売の期間にも、環境省の再エネスタートホームページ上や、PontaWEBなどでワットストアのリンク付きで販売促進が行われていました。
(※編集部が確認したところ、2022年9月1日に「チェンジ・ザ・ワールドとロイヤリティマーケティングが提携に伴うキャンペーン」の告知プレスリリースが確認出来ました。)
2022月6月以降は還元率の良いキャンペーンや新規登録者を増やすキャンペーンが多かった上に、環境省や大手企業が広告や販売促進していたら参入してしまっても不思議ではないですよね。
まさか違法販売を大企業が推奨するとは思いませんから。
新規参入もそうですが、既存オーナーも安心感で追加資金を投入していると思いますよ。
- 今困っていることはありますか?
-
購入以前の規約に書かれていたことと、破産管財人からの説明が矛盾していて、正直混乱しています。
債権者集会も開かれず、説明も受けられていません。
最低限債務者集会を開催し、代表取締役であった池田氏は説明する責任があると思います。
後は、少しでも多く返金を受けるには弁護士に依頼する必要があると思うので弁護団が出来て欲しいです。
まとめ
想像以上に酷い内容で編集部も驚きました。
今回被害者からお話を伺い、被害状況が分かりました。
編集部としては非弁行為は出来かねますが、被害者の方々に少しでも役立つ情報提供ができればと思います。
単なるベンチャー企業の倒産と処理するには酷い内容だと感じますし、編集部としても引き続きチェンジザワールドの動向に注目していきます。
被害者が戦う上で参考になる書籍に『スルガ銀行かぼちゃの馬車事件』があります。
勇気づけられるエピソードも掲載されています。
被害者の皆さん、諦めないでくださいね!