【築古戸建投資は危険!?】DIY物件が今後問題になると思う理由

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編集部

こんにちは。不動産投資トラブル情報局です。

スルガ銀行不正融資が表立った影響で融資が出にくくなっています。いわゆるスルガショックの影響が続いています。

そのため現金で買える築古戸建投資がブームになりました。

しかし築古戸建て投資家を見ていると今後問題になりそうなことが見受けられます。

それは素人が行う、行き過ぎたDIYです。

この記事ではDIY物件が今後問題になると思う理由を解説します。

目次

築古戸建投資のベース知識

まず築古戸建投資とは古くなってボロボロの戸建てを現金で購入し、修繕してから賃貸に出す手法です。

東京神奈川埼玉などの首都圏都心エリアでは築古物件でも高ければ億単位、少なくとも1000万円以上で取引されていますが、田舎エリアにある築古戸建ては数十万円など低価格で取引されています。

そのため融資が受けられないような人でも現金で購入できるため人気となった投資方法です。

また、築古物件に関しては、一般的には築20年頃から築古と呼ばれていますが、築古戸建投資の築古は築40年~50年くらいのかなり築年数が経っている古い物件が多いです。

築20年の築古物件と築50年の築古物件では後者の方が安くなるのが普通ですから、低価格で購入するとなると必然的にかなり古い物件になりやすい背景があります。

DIY(ディーアイワイ)とは?

DIYとは“do-it-yourself”の略で、自分の住む家などを専門業者(プロ)に頼まずに自分自身でアレンジするようなことを指します。

日曜大工をイメージすれば分かりやすいと思います。

自宅で使う本棚や机、外壁の塗装や塀の設置、花壇や倉庫を作るなど様々な物がDIYされています。

ホームセンターで材料を購入し自分自身で作業するため、専門業者に依頼するより安価で出来ることがメリットです。

しかし、完成品は専門業者が作った物に比べると出来が悪いこともあります。

完成度はDIYを行う人の能力に左右されます。

DIY物件の問題点

築古戸建投資はボロボロの状態で購入することが多いため、賃貸経営に移るためにはその物件を人が住める状態まできれいにしなければなりません。

残置物の撤去は自身の労働力を投入し、時間をかければ費用を抑えて撤去することができます。

しかし問題は物件の修理の方にあります。

問題となるのは何の知識もない素人がDIYをして修繕していることです。

本業が大工の方がプライベートな時間にDIYを行って賃貸経営する事は理にかなっていると思います。

しかしブームと共に何の知識もない素人がDIYを行う様子が目立つようになりました。

DIYした物件を他人に貸すわけですが、賃貸経営には当然責任が伴います。

編集部

工作物責任のことですね。

仮に自宅で行ったDIYが失敗作で後に壊れたとしても自己責任で終わりますが、他人に被害が出てしまった場合は大問題になる可能性があるでしょう。

DIYが原因で入居者が怪我をしてしまったり、最悪物件が倒壊するようなことがあれば損害賠償が発生します。

この点を理解して築古戸建投資を行っている人であれば良いと思うのですが、そうでない方が一定数いるように見受けられるので危険を感じています。

危険なDIYの具体例

編集部

例えばどんなDIYが危険なのか具体例をあげてみましょう。

傾いた物件

築古の戸建ては傾いている事があります。

この傾きを調整するためにジャッキアップを使用しDIYを行っている不動産投資家が見受けられます。

家の傾きを修正するジャッキアップなどの道具は誰でも手に入れることが出来ますが、家の傾きの修正はバランスが重要です。

下手すると建物が倒壊する作業です。

工事した時に倒壊しなくても、DIYが原因で後日倒壊することも考えられるでしょう。

傾きのある物件は当然資産価値が低くなり激安で取引されますが、素人が安易にジャッキアップDIYするのは命の危険性に関わるのでやめるべきでしょう。

高所でのDIY

屋根や天井裏など高所のDIYを行う方も見受けられます。

高所の作業はプロでも危険が伴い、落下した場合作業者の命に関わる問題です。

ボロボロの築古戸建ての場合、床が抜けて落下することもあるようです。

実際に床が抜けて1~2メートル落下した方が救急搬送される事例は起きています。

命が助かったとしても肋骨骨折や血胸、腎外傷など大きなケガに繋がりますので安易にDIYするのは危険です。

電気工事

電気工事を行う時は、”電気工事士”という資格が必要になる工事が多いです。

つまり、資格のない素人がDIYしてしまうと違法です。

電気工事は簡単に出来そうな気がしますが、感電したり、実際は目に見えないミスが漏電や火災に繋がるなど大変危険です。

万が一賃貸中に電気関係の故障が起きれば、減額請求のガイドラインに沿って賃料が減額される場合もあります。

工作物責任は築古物件に伴うリスク

不動産における工作物責任とは、「土地の工作物等の占有者及び所有者の責任」のことで、民法717条に定められています。

分かりやすくいうと、建物や土地に欠陥がありそれが原因で、誰かが怪我をしてしまった、死亡した、あるいは他人の所有物を損壊してしまったという時に、所有者が責任を負うものです。

損害を被った人に対して損害賠償責任を負いますので、治療費や買い替え費用など損害を補填する費用を支払わなければいけない可能性が高いです。

工作物責任の事例では、阪神淡路大震災で建物が倒壊したオーナーに約1億3000万円の支払い命令が下されていますし、オーナーに過失がなかったとしても損害賠償義務を負う点も注意です。

まとめ

築古戸建投資DIYは自分自身が怪我してしまう危険性があるのに加え、賃借人の安全を確保する点でも問題があります。

DIYを行うのであれば危険性の少ない簡単な作業のみに留めた方が良いでしょう。

DIYではありませんが、八王子の外階段崩落事故は手抜き工事が原因で起きた事故ですし、素人DIYでは同様の事故が発生してしまう危険性があります。

利回りを重視する気持ちは理解できますが、賃貸経営には人の命がかかっていることも忘れないようにしましょう。

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